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住宅ローンの新たな選択肢! 「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」とは?2024.07.25

住宅ローンの新たな選択肢! 「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」とは?

投稿日:2024.3.28
更新日:2024.7.25

りそな銀行が「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」の取り扱いを2024年10月1日から開始すると発表しました。
共働きが多い現代において、住宅ローンの選択肢の一つに入れやすくなったと思います。
そこで今回はりそな銀行が発表した「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」について説明したいと思います。
これから住宅ローンを組む方は必見です!

ペアローンとは

新築住宅に対し、夫婦がそれぞれ別に住宅ローンを組む方法です。
※こちらのページでは新築住宅を夫婦で立てる場合に限定して話を進めます。

ペアローンのメリット

  • 夫婦の収入を合算してローンを組むため、借入額を大きくできる
  • 住宅ローン控除を別々に受けることができる
  • 返済方法・返済期間・金利タイプなどを夫婦別で選択できる

ペアローンのデメリット

  • 配偶者が死亡しても自分の債務が残る
  • 離婚した時に家や残債をどうするかで揉める可能性がある
  • 契約時のコストが増える可能性がある

ペアローンのデメリットの1つ目に挙げた「配偶者が死亡しても自分の債務が残る」が、今回りそな銀行が発表した「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」では0円になるというものなんです。
それでは詳しく見ていきましょう。

がん特約付きペアローン型団体信用生命保険とは

「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」とは、配偶者が死亡・高度障害となった場合や、所定のがんと診断された場合に、両者のローン残高が0円になるというものです。
今までのペアローンでは、配偶者が亡くなった場合、亡くなった方のローン残高は0円になりますが、自分のローンは払っていかなければなりませんでした。
しかし、「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」ではどちらかに不幸が訪れた場合、その方はもちろん、残された配偶者の負担が一気に無くなるというもので、今までのペアローンのデメリットを大きく変える商品なんです。

ただし、いいことばかりではありませんのでしっかり考えることが必要です。
「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」は団体信用生命保険と名前が付いているとおり、団体信用生命保険に加入することになります。

団体信用生命保険とは

住宅ローンの契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、生命保険会社がローン残高相当分の保険金を金融機関に支払う保険です。

団体信用生命保険の保険料は金融機関が負担することになっていますが、その保険料は住宅ローンの金利に含まれています。
つまり、夫婦で負担することになります。
今までの団体信用生命保険では、亡くなった方の住宅ローンが0円になっていましたが、今回発表した「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」では、どちらかが死亡・高度障害となった場合や、所定のがんと診断された場合に両者の住宅ローンが0円になるので、その分保険料は上がると予想されます。
したがって、2人で「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」に加入したものと、通常の住宅ローンを組んだ場合でどのぐらい返済金額が違うのかをしっかり把握しておく必要があります。
がん特約付きペアローン型団体信用生命保険の取扱開始について (りそな銀行)

ペアローン型団体信用生命保険とがん特約付きペアローン型団体信用生命保険との違い

従来からある「ペアローン型団体信用生命保険」と「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」との違いは、配偶者が亡くなった時に住宅ローンが全く0になるのか、そうでないかです。
詳しくみていくと、ペアローンで3000万円を借り、その内訳が夫1500万円、妻1500万円だとします。
夫、妻それぞれが300万円ずつ返済した時点で、夫がなくなってしまったと仮定して考えてみましょう。

従来のペアローン型団体信用生命保険
夫のローン残高 0円
妻のローン残高 1200万円
がん特約付きペアローン型団体信用生命保険
夫のローン残高 0円
妻のローン残高 0万円

このようにがん特約付きペアローン型団体信用生命保険では、夫婦全てのローン残高が0円になるのが従来のペアローン型団体信用生命保険と異なる点です。
それでは今までの情報をもとに、がん特約付きペアローン型団体信用生命保険のメリットとデメリットを次にまとめてみます。

がん特約付きペアローン型団体信用生命保険のメリット

金銭的ゆとりができる

がんと診断された場合、夫婦のローン残高がゼロになるので、その後の金銭的ゆとりができます。
もちろんガンにかかった方は治療しなければならず、相応の治療費がかかります。
万が一、夫の収入のみで生計を立てていて夫がガンにかかった場合、収入がゼロになります。
この場合、貯金からローン返済をしながら、さらに治療費を払わなければならず、家計の負担はかなりのものになリます。
しかし、がん特約付きペアローン型団体信用生命保険に入っていれば、住宅ローン残高がゼロになるので、支払うのは治療費のみで済むことになります。
保険というのは、万が一のことが起きたときのものなので、本当にガンにかかってしまった場合は非常にありがたい支えとなってくれ、とにかくこれが一番大きなメリットとなります。

がん特約付きペアローン型団体信用生命保険のデメリット

保険料の分、ローンの支払額が増える

保険というのは手厚いサポートが付けば付くほど、支払う保険料は高くなります。
しかし、何かあった時には金銭的な手助けになりますので、それらを天秤にかけて決める必要があります。
ローンだけ支払う場合、ローン+団体信用生命保険の保険料を支払う場合、ローン+がん特約付きペアローン型団体信用生命保険料を支払う場合の3パターンで検討し、自分たちにはどれが一番いいのかを御夫婦で話し合ってみてください。

途中での解約が不可のものがある

みずほ銀行の「ペアローン団信」は中途加入や中途解約ができないと明記されていますし、銀行によってこのような制約がある場合があります。
ローンを組む前にしっかり確認しておかないと、途中で月々の支払いができないなんて事になったら、家を手放さなければなりません。

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その他にも制約がある

銀行によっては他にも制約がある場合があります。
全てのガンに保険が適用されるわけではなく、ガンの種類によっては適用されないという制約があります。
ちなみに、ほとんどの金融機関では、「上皮内新生物(上皮内がん)」および「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚のその他の悪性新生物(皮膚がん)」が保障の対象になっていません。
上皮内新生物(上皮内がん)とは、大腸の粘膜内がん、膀胱や尿路、乳管等の非浸潤がんなどが挙げられます。

その他にも、ガンにかかるまでの日数なんかも制約がありますので、各金融機関の条件を確認しておきましょう。

PayPay銀行でも「連生団体信用生命保険」が6月1日から

PayPay銀行でも「ペアローン向け全疾病保障付き連生団体信用生命保険」を6月1日から始まりました。
こちらもりそな銀行の「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」と同じような商品で、死亡・高度障害の保障だけでなく、がん保障とがん以外のすべての病気・ケガで働けなくなった時の保障も揃えているそうです。
りそな銀行よりさらに手厚い保障という印象を受けますね。

さらに、「がん50%保障団信」というものがあり、ローン残高の50%が給付されるといったものもあり、保険の選択肢が増えるという事になります。
銀行初! 6月1日よりペアローンの「連生団体信用生命保険」取扱開始 (PayPay銀行)

三井住友銀行では「クロスサポート」が既に始まっている

三井住友銀行のクロスサポート(連生団体信用生命保険付住宅ローン)という商品があり、既にこちらは申込みが可能なようです。

住宅ローン金利+年0.18%

上記の金利をプラスすることで、夫婦どちらかが亡くなった場合に2人のローン残高がゼロになります。
三井住友銀行では、その他にも「8大疾病保障付住宅ローン」なんかもありますが、金利もその分高くなるので、慎重に進めたほうがいいですね!
クロスサポート(連生団体信用生命保険付住宅ローン)とは (三井住友銀行)
8大疾病保障付住宅ローン (三井住友銀行)

みずほ銀行でも「ペアローン団信」が始まった

みずほ銀行でも2024年7月1日からペアローン団信が始まり、他銀行と同じく死亡・高度障害の保障に加え、所定のがんと判断されるもしくは余命6ヶ月と判断された場合に二人のローン残高が0円になるものが登場しました。
加入年齢に制限があり、満51歳未満という条件があります。
また、中途加入や中途解約ができませんので、ローンを組む時に入らなければならず、解約もできませんので、最初に二人で話し合って慎重に決断する必要があります。
ペアローン団信

まとめ

今回りそな銀行が発表した「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」は、共働き夫婦にとってはとてもありがたい商品であり、住宅ローンの選択肢の一つとして入ってくることは間違いありません。
今までネックであった、残された配偶者のローンはそのまま残るというデメリットをメリットに変えた、非常に魅力的なものです。
ただし、返済総額が上がるのは間違いないだろうし、どのぐらい差ができるのかをしっかり把握した上で加入しなければなりません。
これから住宅ローンを組むご夫婦にとって選択肢の一つとなる得るので、前もって知っておき、ご夫婦で話し合っていただければと思います。

家づくりは、ただ家を建てるというだけではなく、これからのご夫婦にとっての重要な決め事が付随してきます。
お二人で悩んでも解決しないことも多々あると思いますので、ご相談などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

投稿者:朝倉蓮

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